一般ブログ記事
2015年4月2日
本格シーズン前にロッドのメンテなど
関東圏では桜も咲いて、いよいよフライの本格シーズンに突入。
今年はどんな愉しい釣りができるだろう?
いや、そんなほわほわした想いをはせる前に、自分にはやることがあるのだ。
それは以前から気になっていたロッドのコルクグリップをリペアすることである。
天然コルクは耐衝撃性にすぐれ、適度な柔軟性をもっているにもかかわらず磨耗に強く、一日中ロッドを振りまわすフライロッドにはなくてはならない素材。
しかし手入れを怠ると非常にもろい性格を持つ。
とくに海、川や湖などの自然水にふれた後には、真水で微細なバクテリアや藻などを洗いながし、自然乾燥を確実にしてからロッドケースにしまうようにしないといけない。
そうしないと細かな穴が多い多孔質なコルクは、穴の中に潜んでいるバクテリアが暗く湿ったケースの中で繁殖し、カビが生え、腐敗劣化がすすんでしまうのだ。
劣化が進むとコルクは黒く変色しだし、特有の粘りがなくなり、すこしの衝撃で目が抜けてしまうようになる。
それが1枚目の写真だ!
見よ、元気に育ったカビ菌どもを(笑)
毎年、釣り場でロッドを見るたびに、今回こそは帰ったら綺麗にしようと思いはするものの、自宅にもどればそんなことはまったく思い出すこともなく結局は放置プレー。
以後、繰り返し
しかし、今年の自分は違うのである。
ついに重い腰を上げて、メンテナンスに励みます!
まずは手垢やカビや藻で黒緑色になってしまったコルクを綺麗にする作業から。
これはいろいろな方法があるけれど、自分の場合はメラミンスポンジ 一択。
よく100均に売っている劇落ち君の類ですな。
メラミンスポンジは綿密にいえば汚れを削りとっているので、グリップの太さに神経質な人は使わないほうがいいけれど、まあサンドペーパーの番手に当てはめれば3000番程度らしいので感触がかわるほど削れることはないでしょう。
コツとしては水道から水を流しながら、軽くコルクの目にそってなでるようにこすりま
す。
すると開始1秒で見違えるような白さがおでましに!
写真2は一部分だけスポンジで洗浄した状態、そういえば確かに新品のときはこんな色してたな。
そして全体を洗浄したら、今回は目の抜けたコルクをパテで埋める作業もやってしまうおう。こういうのは一気にやらないとね。
コルクパテというとメジャーな商品でジャストエースというのがある。
パテをつかったロッドメンテで検索すると、出てくるのはだいたいこのジャストエースをというくらいに有名な商品なんだけれど、自分的にはこの商品に大きな不満があるんだよね。
それは仕上がりが白すぎるんだ。
真っ白の新品コルクならいざしらず、ある程度つかったコルクグリップはどんなに綺麗にしても赤黒さというか、経年劣化によるくすみがある。
そんな中で白く光るパテの目は、異常に目立つ。
しかもコルク部分はまただんだんと汚れていくけれど、パテの白さは変わらないままだから、使うほどにそのコントラストが際立つようになる。
この部分については、自分と同じ不満の声もたくさんネットであがっているようだ。
そこで今回、自分が試したのは写真3にあるロッドダンサー・ピットペーストというアメリカのメーカーのパテだ。
ネットではまだこの商品の日本語インプレは見つけられなかったから、もしかしたら日本初のインプレかもしれん。
結論から言うと、このパテはすごくいいね。
ジャストエースに比べて最初から色が濃くやや赤味がある。
しかもほぼ無臭。
ジャストエースのコルクパテは強烈なにおいがするから、そういう面でも使いやすいパテだといえる。
こいつを指で全体的に塗りこんでいくわけだけど、そのまえにしっかりとブランクを保護するマスキングテープを貼っておく。
そしていざ塗り塗り。
粘度はやや硬めだから、穴の奥までパテをつめるためには様々な角度から穴に押し込む感覚をもったほうがいいね。(写真4)
穴が深い場合は水で少し薄めても構わない。
全体を塗ったら、そのまま放置すること30分。
そして全体的に乾いて、色がやや薄く変わったら、サンドペーパーの荒め、中目、細目と研磨し整えていく。
コツとして、細目の段階になったら1000番くらいの極細目を小さく切ったものをチョロチョロ水道水で流しながら水研ぎしていくといい。
そうすることでパテの部分とコルクの境目がはっきりとするから、間違ってコルクを削りすぎてしまうミスを防げる。
この商品は水溶性だが、いったん硬化すればこの程度の水流で目の中のパテが取れてしまうことはなさそうだから、仕上げは水研ぎがいいと思う。
で、その仕上がりは写真5となる。
ビフォーアフターは同じ角度で撮影したんだけど、同じグリップとは思えないよね(笑)
パテに着色などをしていないことを考えれば、パテとコルクの境目がすごく自然な仕上がりだと思う。
まあ耐久性や経年時の色合いなどは、またしばらくしたらレポートすることとしよう。