
今年もいよいよフライフィッシングシーズンの開幕。まずは2月1日に、長良川中央漁協管内の長良川本流と板取川などの支流が全国に先駆けて解禁となった。
長良川中央漁協の管轄は美濃地区を流れる長良川とその支流で、渓魚のフィールドとしては最下流部に位置する。上流の郡上地区のほうが、渓流フィールドとしての人気は高いが、そちらは郡上漁協の管轄で、今年の解禁は2月15日となっている。
今回は、美濃地区の長良川本流の人気ポイントを取材した。取材日は2014年解禁日から数日たった平日だ。
対象魚はシラメ
対象魚は、成魚放流されたシラメが中心だ。銀毛した魚体のアマゴをこの地方ではシラメと呼んでいる。サケと同様に海に下るタイプのアマゴで、海で大きく育ったものは産卵のためサツキマスとして川に戻ってくる。ここ長良川の美濃地区では、5月がサツキマスの季節となる。
美濃橋下流のプール

美濃橋という吊り橋の下流側にある大きなプール状の流れで、漁協の放流場所。放流直後のシラメはしばらくこのプールに溜まって、クルージングしながらミッジのハッチにライズする。
フライフィッシャーには特に人気のあるポイントで、平日にもかかわらずこの日も、フライマンを中心に多くの釣り人が1列に並んでロッドを振っていた。
今年は解禁日から数日は暖かい日が続いたが、取材日は寒波が降りて気温がグッと下がった。それでも、プールではライズが確認できる。ただし、どこでもというわけではなく、プールの下流側、写真の人が集まっている付近に限られていた。

この日のハッチはミッジだけではないようで、カワゲラらしきものも飛び交っている。
フライマンを眺めていると、時々ロッドが曲がり、銀色の魚体が引き寄せられていく。そのライズのある付近は、当然だがなかなか場所が空かない。
仕方なしに、ライズの見当たらない場所でロッドを振ってみるが、もちろん反応はなかった。
この時期、ライズのない水面をただフライが流れていく様子は、どうにも虚しいものだ。寒さで足や指先の感覚も薄れてくる。防寒対策は、「これでもか」というくらい万全にしておきたい。
関観光ホテル裏

大きなプールになっているポイントで、安定してライズがあるため、やはりフライマンに人気が高い。ルアーマンも多い。ただし、グッドサイズのシラメは遠めでライズしていることが多いので、5~6番のロッドを用意しておくと良いだろう。ここも漁協の放流場所だ。
この日も多くのライズが見られた。こちらのライズは1箇所だけでなく、プールのあちこちで飛沫があがっている。シラメは定位しているのでなく、広いプールを回遊しているようだ。まとまったライズのある場所も、しばらくするとライズは止まり、今度は別の場所でまとまったライズが始まる。
なので、人のいない場所に陣取ってしばらく待っていると、自分の前でライズが始まる、という具合になる。

さて、ここで言い訳をしなければならない。
実はこの日、ミッジボックスをベストに入れ忘れてきてしまったのだ。ベストの中は昨年9月の状態。リーダーは5xのみ。ティペットは6.5xが最細という始末。ついでにロッドとラインは3番だ。
少し厳しい条件になってしまった。
6.5xティペットの先には、手持ちのフライで一番小さい#18のクイルボディのフローティングニンフやCDCダンを結んでキャスト。
手前を泳ぐシラメはその挙動が目視できるのだが、フライを追いかけるだけで、捕食行動には出ない。たまに捕食体勢にはいるシラメもいるが、寸前でフライを見切っているようだ。フライに出てもフッキングすることはなく、結局、この日はノーフィッシュに終わってしまった。
なお、隣で5番ロッドをキャストしていたフライマンは、度々ロッドをしならせていたことを付け加えておこう。
(掲載日:2014年02月06日)
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