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今月のフィールド ~2016年1月 黒部川~(動画あり)|フライフィッシング データバンク

「今月のフィールド」2016年1月は、富山県の黒部川(黒部ダム下)をピックアップし、動画とともに紹介

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オフシーズン恒例!WILD-1スタッフの犀川釣行!
最盛期はひととき。黒部イワナの楽園。
■黒部イワナ
このイワナをどう表現したらよいだろう。
色合い。顔つき。鋭い歯。分厚いヒレ。
黒部川のイワナスタイリッシュではない。無骨な風貌。

原始の美しさを感じさせる。いや、恐ろしさすら感じるかもしれない。

黒部イワナ。

ご覧のとおり、黒部イワナは、顔、ほおの部分の黒さが特徴的だ。
分類ではニッコウイワナに属するらしい。しかし、普段我々が目にするニッコウイワナとは、その風貌は明らかに異なる。やはり、この地でしか出会うことのできない、特別なイワナなのだと思う。
どうして黒部のイワナだけが、こんな姿なのだろう。
興味は尽きない。

富山県・黒部川(黒部ダム下)■黒部ダム下
富山県・黒部川源流のフライフィッシングは、様々なメディアで頻繁に紹介されている。
しかしそれは、ほとんどの場合、黒部ダムの上流側。いわゆる「上廊下(かみのろうか)」だ。
そのエリアに入渓するには、相当な覚悟と体力がいる。かなりの歩きや激流の渡渉を強いられるのだ。
それに対して、今回紹介するのは、黒部ダムのすぐ下。通称「下廊下(しものろうか)」の上流側の入り口にあたるエリア。この区間では、たいした歩きを強いられることもなく、気軽に黒部イワナを狙ったフライフィッシングを楽しむことができる。

観光放水前の黒部ダム■極端に短い最盛期
しかし残念なことに、黒部ダム直下のこの区間の渓流釣りの最盛期はとても短い。

黒部ダムと聞けば、豪快な観光放水を思い浮かべる方が多いだろう。毎年6月26日~10月15日に実施される黒部ダムの観光放水は、毎秒10トン以上もの水がダムから放出されるそうだ。

当然、ダム下流側は増水の激流となる。このため、観光放水の時期にこの区間で釣りになるのは、岸寄りのごく限られた浅い部分だけになってしまうのだ。
そのほうがポイントが絞れるという考えもあるが、この区間のフライフィッシングを満喫するなら、やはり観光放水が始まる前ということになる。

一方、ここは北アルプスのど真ん中。ダム下の標高は1200m超。豪雪地帯だ。雪代が収まり、残雪も少なくならないと、快適な釣りは期待できない。
となると、それは6月上旬以降ということになろう。

つまり、黒部ダム直下のフライフィッシングのベストシーズンは、6月上旬~6月25日ということになる。
なんとも短いベストシーズンなのだ。

放水前のダム下には、黒部川本流の水は流れてこない。この時期にここを流れているのは、黒部ダム直下で黒部川に合流する御前谷の水だ。ドライフライのフライフィッシングを楽しむのには、特に手頃な水量。多くの羽虫が飛び交い、ライズも流れのあちこちで見つけられるはずだ。
黒部川でフライキャスティング

ところで注意しておきたいのは、観光放水の開始前に行われる試験放水。釣行前にその有無は確認しておきたい。

■長野県側からトロリーバスで
アルペンルートのトロリーバスところで、ここへはマイカーで来ることはできない。
富山県側・長野県側のいずれかからアルペンルートの乗り物でアプローチすることになる。今回の取材では、長野県側からアプローチした。

長野県側からは扇沢駅からのトロリーバスで、約15分で黒部ダム駅に到着する。
このバスの動力は、電車のように架線から得る電力。北アルプスの山中に排気ガスをまき散らかさない為の工夫というわけだ。
法的には鉄道の分類になっていて、標識や信号機などにも鉄道の規則が適用されているのだそうだ

黒部ダム駅からは、旧日電歩道と呼ばれる歩道(登山道)を使ってダム直下に降りることができる。駅から河原までは約200mの高低差。行きは良いが、帰りはなかなかキツイ。帰りのバスの時間に間に合うよう、余裕を持って行動したほうがよいかもしれない。

黒部川の河原まで降りると、左岸(上流側から見て左側の岸)に渡る木橋がある。これが旧日電歩道。そのまま左岸の歩道を下流側に向かってもよいが、橋を渡らず、右岸の河原を歩くこともできる。
ある程度下流側に歩き、適当なところから釣り上がるのが、ここ黒部ダム下の一般的なフィッシングスタイルだ。

黒部川でイワナがヒット■意外に気軽!?
黒部川・上流域は、「とにかく遠い」、「過酷」というのが一般的なイメージだろう。

だがそれは、黒部ダムの上流側「上廊下」の話だ。今回取材したダム直下のエリアは、そのイメージとはずいぶん違う。
首都圏からの釣行であれば、日帰りすら可能なフィールドなのである。実際、この記事の取材も日帰りだったのだが、特に辛い釣行ではなかった。
首都圏から行く本格的なイワナ釣り場としては、気軽な部類に入るかもしれない。

前述のとおり、トロリーバスの扇沢駅から黒部ダムまでの所要時間は15分ほどだ。扇沢駅は長野県大町市にある。最寄ICの長野道・安曇野ICからの距離は30km少々で、小1時間もあれば十分到着できる。

始発のトロリーバスに乗れば、ちょうど水生昆虫のハッチが盛んになってくる頃にロッドを振り始めることができるだろう。
ただし、帰りのトロリーバスの時間には気をつけなければならない。これからイブニングの最高潮、期待が高まる時間帯に、駅に戻る必要がある。
釣りに夢中になりすぎて、バスに乗り遅れることのないようにしたい。

黒部ダム下のイワナ■エサ釣り師の姿
この記事の取材は、昨年(2015年)の6月中旬。
扇沢駅から始発のトロリーバスに乗り込んだのは、我々取材班を含めて2組。

バスの中では気づかなかったが、黒部ダム駅に到着しバスを降りた時、彼らのザックに釣竿が入っているのを見つけた。エサ釣り師のキャンプ釣行のようだ。やはりダム下へ向かって歩いていく。
黒部ダム直下のフィールドは、フライマンは少ないが、エサ釣り師には人気なのだ。彼らとは少し話をして、お互いの釣りをする区間を確認しておいた。

■ストレスフリーのイワナ釣り
ライズしていた黒部イワナ黒部川のイワナの気配は、旧日電歩道を下流側に進むにつれて濃くなっていく。いよいよ我慢できなくなって、ロッドにリールをセットする。

ほどなくして、最初の黒部イワナが釣れた。
それから後は、ストレスフリーのフライフィッシング。この日のイワナ達はフライを選ばない。大きくても小さくても、濃い色でも明るい色でも、ガッチリとフッキングしてくれた。

前述のとおり、このフィールドの最盛期は短い。この記事の写真や動画のような風景の中でフライフィッシングを楽しめるのは、6月上旬から6月25日までだ。これより前は、雪景色。以降は増水の激流という風景になってしまう。

もし、最盛期の天気のよい日にこのフィールドに立つことができれば、新緑の素晴らしい景色と最高のコンディションの流れで、至極の天然イワナと対面することができるだろう。

いかがだろう。今年は黒部の釣行を計画してみては。
黒部川ダム下のフライフィッシング
(掲載日:2016年01月13日)
動画で見る今月のフィールド
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黒部川(黒部ダム下)
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