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今月のフィールド ~2016年5月 中ノ沢~(動画あり)|フライフィッシング データバンク

「今月のフィールド」2016年5月は、群馬県の中ノ沢をピックアップし、動画とともに紹介

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盛期を迎えた新緑の山岳渓流
■新緑に包まれた中ノ沢
今年は季節の進行がはやいようだ。
今回の取材は2016年4月下旬だが、例年ならここでは桜が咲いている頃で、木々が芽吹き始めるのはもう少し後。しかしこの日、渓はすでに眩しい新緑に包まれていた。

神流川支流・中ノ沢でフライフィッシング群馬県上野村を流れる中ノ沢。神流川の源流域にあたる山岳渓流だ。

まだGW前だというのに、今年の中ノ沢の流れはもうすっかり盛期の様相。
動画をご覧頂くとわかるが、渓には多くの虫が飛び交っている。渓魚たちも元気いっぱい。新緑もまぶしい。生命感に待ち溢れている。

フライフィッシングをたしなむ者としては、待ちに待った季節の到来だ。
胸が高鳴る思いがする。

■一足早い盛期の到来
上野村・新緑の中ノ沢でフライフィッシング例年GWごろになると、ここ中ノ沢と同じようにフライフィッシングの盛期に突入する渓がでてくる。

フライフィッシングの視点で考えた場合の盛期というと、周囲が緑に囲まれはじめていること、虫が飛び交い始めていること、雪代が終わっているか雪代が入らない川であること。ということになるだろう。

中ノ沢のある群馬県上野村は降雪が少ないので、雪代に悩まされることはほとんどない。中ノ沢の核心部付近は源流域だが、それでも標高は700mほど。標高の高い渓よりも季節の進みがはやい。

東北などの北の地域や、標高の高い場所、豪雪地帯と比べると、ここ上野村を流れるフィールドは、一足早く盛期を迎えるのだ。
中ノ沢のフライフィッシング

■完全予約制「貸切り」のフィールド
中ノ沢の核心部には、漁協による先進的なレギュレーションが設けられている。
1日8名限定の完全予約制。釣法はフライフィッシングかテンカラ釣りのみ。もちろんC&R。
中ノ沢でヤマメがヒット
区間は8区画に分けられていて、予約者に割り振られる。9:00~13:00は、割り振られた区画内しか釣ってはいけない。
逆の言い方をすれば、午前中は自分の区画内は「貸切り」なのだ。

区画といっても、流れに手が入っているわけではない。全くの自然渓流。自分の区画を通り過ぎたことに気づかず、他人の区画に入り込んでしまわないよう注意が必要だ。
13:00以降は8区画のどこに入っても良い。

人気渓流が混みあうGW期間中などは、どこのフィールドに出掛けようかと迷ってしまうことも多い。しかしここなら、先行者がいることはないし、午前中は自分の区間に他の釣り人は入ってこないのだ。

上野村・中ノ沢の渓相中ノ沢と兄弟のように流れる本谷も同じレギュレーション。本谷は中ノ沢の隣を流れているが、本谷のほうが神流川の本流筋だ。
中ノ沢がこのレギュレーションになったのは昨シーズンからだが、本谷では10年ほど前からこのレギュレーションを採用している。

本谷や中ノ沢といった神流川の源流域をC&Rにすることで、渓魚の再生産の盛んなフィールドをつくりたい、という思いが、ここを管轄する上野村漁協にはあるのだという。
実際、本谷では多くの天然魚を見ることができるし、中ノ沢でも多数の稚魚を確認できた。稚魚放流はされていないので、今年ここで生まれた魚というわけだ。
本谷と中ノ沢で稚魚放流をしないのは、産卵能力のある親魚を増やす狙いがあるからということだが、その狙いどおりになっているようだった。

中ノ沢のヤマメ■魚影がスゴイ!
「前日までは気温がやや低くて、午前中はドライフライでは厳しかったようです」と漁協の方が教えてくれたが、この日は気温がグンと上がっていた。

午前9時前に中ノ沢の中間地点にある管理等前に車を停めて流れを見下ろすと、なかなかのサイズのヤマメが目視できた。落ち込みからできた流れの水面近くを泳ぎまわって、時々ライズして何かを捕食している。
すでに多くの羽虫も飛び交っている。

これならドライフライでいけそうだ。割り振られた区間に向かう途中でも流れに目をやるが、あちこちでヤマメの姿を確認できる。驚くほどの魚影だ。
中ノ沢でヤマメをランディング

■サビが残るヤマメと白いヤマメ
中ノ沢にはイワナも多いのだが、この日釣れてきたのはヤマメだけ。見える魚を狙って釣ったからだろう。
中ノ沢で釣れたヤマメ見えやすい場所を泳いでいたのは大半がヤマメ。イワナは岩陰や、暗い巻き返しなど、こちらから見つけづらい場所にいたに違いない。

漁協の方によれば「今日はイワナしか出なかった」と話すフライマンもいるそうなので、イワナとヤマメの付き場が明確に分かれているようだ。

この日は写真のように、2種類のヤマメが釣れてきた。サビが残った赤黒いヤマメと、白っぽいヤマメ。

サビが残るヤマメは野性味があり尾びれも大きい。年越しのヤマメのようだ。精悍だが痩せ気味。
一方、白いヤマメは今年放流されたものだろう。養魚場で満腹にエサを喰っていたに違いない。立派な体型だ。

年越しヤマメと放流ヤマメは、半々くらいの比率で釣れてきた。想像していたよりも年越しが多い印象だ。
これなら、いずれ天然魚でいっぱいのフィールドになるかもしれない。今後が楽しみだ。

水中のヤマメ■ドライへの反応
ところで、魚影が濃いからといって、見えている渓魚が全てドライフライに飛び出してくるというわけでもない。

目視できるターゲットが多いと実に勉強になるのだが、水面上の流下物に反応する渓魚は、見えていた魚のうち半分以下のように感じた。

ドライフライに反応しない魚は、水面上を流れる本物の虫にも反応していない。水面上を流れるエサには無関心な渓魚も多いようだ。
ドライフライのフライフィッシングとは、少数派の渓魚を相手にする遊びなのかもしれない。

逆に本物の虫に対してライズを繰り返している渓魚は、やはりドライフライに対してもなんらかの反応を見せる。釣れるか釣れないかは別問題だが、とにかく反応する。

上の写真は、水面に無関心だった魚を水中で撮影したもの。そういう視点で見てみると、この魚は上方には目がいっていない気がしてくる。
中ノ沢
(掲載日:2016年05月04日)
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