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今月のフィールド ~2016年10月 船子川(ようらく)~ (動画あり)|フライフィッシング データバンク

「今月のフィールド」2016年10月は、群馬県の船子川(ようらく)をピックアップし、動画とともに紹介

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WILD-1スタッフと歩く飯豊連峰・秘密の源流
オフシーズンも自然の渓でイワナ・ヤマメを釣りたい!
■自然渓流のイワナ・ヤマメが恋しくなる季節
10月に入って、一般渓流のほとんどは禁漁期に入った。
それでも渓流でトラウトのフライフィッシングを楽しみたい。近年は各地でニジマスの冬季釣り場が開設され、フライマンのそんな願いをかなえてくれている。
船子川(ようらく)のフライフィッシング
ニジマス狙いのフライフィッシングはもちろん楽しい。それでもやはり自然河川のイワナやヤマメが恋しくなる日がある。来年の解禁まで待つのがつらい。

今回紹介するのは、オフシーズンでもイワナやヤマメを釣ることができる自然河川。解禁まで待てないワガママなフライフィッシャーにうってつけのフィールドだ。

■小渓の源流
群馬県神流町を流れる船子川。神流川の支流だ。
今回取材した管理釣り場「ようらく」は、ここ船子川の源流部に設定されている。管理釣り場といっても全くの自然渓流。堰堤や護岸こそあるが、流れに人の手は入っていない。
船子川(ようらく)の源流周囲には民家や店舗なども見当たらず、釣り人以外の人に出くわすこともほとんどない。
一般的な「管理釣り場」のイメージで訪れると、面食らってしまうかもしれない。

この自然な流れにイワナ・ヤマメ・ニジマスが放流されている。

川に降りてしまうと、管理釣り場に来ているという感覚は完全になくなる。小渓の源流フライフィッシングそのものだ。

管理区域の河川長は約2.5km。最下流部の標高が約700m。最上流部の標高は約900m。区間内の標高差は200mもある。ここは落差が大きい山岳渓流なのだ。

■フライフィッシングに適した区間は道路沿い
道路沿いを流れる船子川(ようらく)今回釣ったのは「フライ・ルアー・エリア」の上流部で、比較的、落差が小さく瀬が多い。フライフィッシングで攻めやすいし、歩きやすい区間だ。

この区間の船子川は道路沿いを流れている。道路と河原の高低差が少しあるが、河原に降りる道がついていたり、護岸にハシゴが設置してあったりするので、危険が少なく入渓できる。

管理棟から「フライ・ルアー・エリア」までは距離があり、車で移動する必要がある。入渓点に看板などは設置されていないので注意が必要だ。こうした点も、一般的な管理釣り場とは異なる。

■濃すぎず。薄すぎず。適度な魚影
船子川(ようらく)のイワナ魚影が濃すぎないのも、ここ「ようらく」の魅力だ。

よくある管理釣り場のように、魚がウジャウジャと見えていたりしない。見えていないが、流れの中ををジャブジャブ歩くと魚が走る。魚影の濃い一般渓流の感じだ。

なので、普通の管理釣り場のようにバンバン釣れてしまうこともない。初心者のフライマンなら、ノーフィッシュということだってありうる。それくらい一般渓流に近いのが、ここ「ようらく」なのだ。
魚のコンディションもいい。上写真のイワナは25cm前後だが、一般河川の盛期のイワナと見分けがつかない。

■放流直後の渓魚は流れてくるエサを喰うのが苦手?
船子川(ようらく)で釣れたイワナ取材は2016年10月中旬。

経営者の岩崎さんにお話を伺ったが、10月は特に放流に気を使う時期なのだそうだ。

渓魚達は、産卵期を迎えデリケートになるのだという。
ある程度のサイズに育った渓魚はこの時期、養魚場の中でもサビが入るそうだ。そうした魚は、網で皮膚に傷がついただけでも死んでしまうのだという。

サビの入った魚は、放流しても流れの中ですぐ死んでしまうので、10月はサビの入らない小ぶりな魚だけを選別して放流するのだそうだ。
船子川(ようらく)の渓相
流芯付近では小型の渓魚がドライフライを突っつくことが多かったが、それが放流されたばかりの魚なのだろう。流れてくるエサを喰うのがまだ苦手のようで、めったにフッキングしない。

一方で、がっちりとフッキングしてくるのは、岩陰や岸際の隅っこなどに着いている良型が多い。
おそらく、放流されてからしばらくたって、流れに馴染んだ個体なのだろう。エサを喰うのが上手い。
フライパターンも一般渓流と同様に、ナチュラルな水生昆虫タイプのドライフライが有効だった。

船子川(ようらく)で釣れた尺ヤマメ

■尺ヤマメの登場にビックリ
経営者の岩崎さんのお話では、放流の割合はニジマスが多いということだったが、この日はニジマスは1匹も釣れなかった。姿を見せてくれたのは、イワナとヤマメばかり。
▼コンディション良好な尺ヤマメまで顔を見せてくれたのには、驚かされた。

「ニジマスばかり釣る人とイワナばかり釣る人に分かれるんですよ」と岩崎さんは話す。狙うポイントが違うのか。フライセレクトが違うのか。

ところで岩崎さんは、養魚場を経営するかたわらで「ようらく」を運営しているのだが、こちらの渓魚は抜群に旨いと評判なのだそうだ。「この川の水はph値が高めですが、それが魚を旨くしているようです」と岩崎さん。
そう言われてしまうと、食ってみたくなる。
船子川(ようらく)でキープしたイワナ
今回の釣果のうち、イワナとヤマメ1匹づつをキープして、塩焼きにしたが、なるほど旨かった。

「ようらく」は通年営業。月曜日が定休日(祝祭日の場合は営業)。禁漁期がない渓流フィールドだ。
岩崎さんによれば、これから本格的な寒さが到来すると渓魚たちは「雪虫」にライズするようになるという。「雪虫」という呼び名は地域によって指す対象が違うようだが、ここではおそらくミッジかカワゲラを指しているのだろう。

自然渓流でのイワナやヤマメのフライフィッシングをオフシーズンにも満喫できる貴重なフィールド。このオフに一度、出向いてみてはいかがだろう。
船子川の源流にある「ようらく」
(掲載日:2016年10月23日)
動画で見る今月のフィールド
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ようらくの管理棟
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