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今月の一本 ~2016年2月 スペント・ミッジ~|フライフィッシング データバンク

「今月の一本」2016年2月は、「スペント・ミッジ」をピックアップし紹介

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ミッジの季節の必需品
スペント・ミッジ 3本2月~3月にドライフライにこだわったフライフィッシングを渓流で楽しもうとすれば、一部の例外を除いて、ミッジのフライパターンを選択することが多いだろう。

2月といえば真冬。
この時期は、ミッジ以外の水生昆虫のハッチはほとんど見られないのが一般的なので、選択するフライパターンもミッジ系のものになるのは当然だ。

地域によってもかなりの差があるが、3月に入って暖かい日が増えてくると、ガガンボやストーンフライ(カワゲラ)が選択肢に仲間入り。3月後半くらいから、ようやく小型のメイフライがハッチを始める、というフィールドが一般的ではないだろうか。

■苦労させられるフライセレクト
スペント・ミッジ2種ミッジを捕食してライズするイワナ・ヤマメ・アマゴをフライフィッシングで狙う場合、毎度のように苦労させられるのが、フライセレクトだ。

安定したライズがあるにもかかわらず、投じたフライにはなかなか喰いついてくれない。ミッジのアダルトパターンから始まり、水面直下を狙うミッジピューパのパターン。スペントのパターン。サイズや色合いの異なるパターン等々。 あれこれフライ交換をして、ようやく当たりフライを見つけ出す、というようなことが多い。この時期に一発で当たりフライを見つけられた記憶がないほどだ。

■スペントウイングのミッジ
スペント・ミッジそんなわけで、ミッジのフライパターンは毎年、サイズ違い・カラー違いを含め、結構なバリエーションを用意しておくことになる。そのうちの一つが、今回紹介するスペントウイングのミッジ・パターンだ。

何らかの理由で絶命したミッジは、羽を左右に広げた状態で水面を流されている。
十字のシルエットになるわけだが、この十字シルエットが、渓魚の食欲をそそることがあるのかも知れない。スペント・ミッジに対する反応が際立つタイミングというのが確かに存在するのだ。

例えば風のある日。ミッジは体が小さいので、風によって水面に落とされてしまう個体も多いだろう。そんな時は渓魚も、スペント状で流れる流下物に特に強い関心を抱いたとしても不思議ではない。
スペントウイングのミッジパターンは、早期のフライフィッシングにおいては、なかなかに重要な位置づけなのだ。

■小さいことが大事
スペント・ミッジに限らず、ミッジを意識したフライパターンのタイイングで特に大事なことは、シルエットを小さくすることだ。フックサイズだけではない。全体のシルエットを小さくタイイングする必要がある。
例えば、パラシュートのハックルが大きかったり、量が多すぎたりすれば、フックは小さくても、シルエットは大きくなってしまう。

フックサイズの違い各パーツはできる限り小さく、控えめにタイイングする。また、パーツの数は出来る限り少なくすることも大事だ。

フックサイズは、#20以下というのが一般的だが、実際のところ、#24以下くらいでないと喰ってくれないということが多い。実物のミッジを見れば一目瞭然だが、本物のサイズはとても小さいのだ。#30フックですら、実物と比べればまだ大きい。

左の写真は、CDCスペント・ミッジのサイズ違い。#24のフックは、がまかつ・B11-B。#30のほうは、がまかつ・C12-BM。このサイズになるとバーブの大きささえ余分に感じてしまうこともあり、バーブレスフックを使用している。
#30のC12-BMは、アイが大きいことが特徴。#30という小ささでも、ティペットをアイに通しやすい。

■CDCスペント・ミッジ
CDCスペント・ミッジ今回は2種類のスペント・ミッジをタイイングした。ひとつめは、CDCスペント・ミッジ。ウイングにCDCを使ったパターンで、ポピュラーなフライパターン。

CDCはナチュラルカラーを使用。量が多くなりすぎないよう注意する。長さも控えめに。
ボディに巻いているのはスレッドだけ。ストリップド・ピーコックなどでクイルボディに仕上げてもよいが、その意味があるのは#24くらいまでだろう。それより小さなサイズに巻く場合、ボディが太くなってしまうなど、デメリットのほうが目立ってしまう。

極小のフライパターンは当然、視認性が良くない。少しでも視認性を確保するため、このパターンでは、エアロドライウイングのインジケーターをつけている。しかし、このパーツもごく少量にしておかないと、オーバードレッシングになってしまう。視認性は犠牲にしてでも、シルエットを小さくしないと、極小フックに巻いている意味がないのだ。

■クイルボディ・スペント・ミッジ
クイルボディ・スペント・ミッジこちらはストリップド・ピーコックでボディを巻き、クイルボディに仕上げたパターン。今回は赤にダイドされたストリップド・ピーコックを使用している。
前述のとおり、クイルボディのミッジ・パターンは#24くらいまでの大きさが限度だろう。写真のパターンは#24フックにタイイングしている。フックは、がまかつ・C12-BのREDを使った。赤いフックカラーだ。

ウイングは、NO FRAY WING MATERIAL(ノーフレイ・ウイング・マテリアル)というウイング材でつくっている。このマテリアルでつくるウイングも、#24くらいまでが限界。これ以上小さなウイングを整形するのは、かなり難しい。

エアロドライウイングのインジケーターもつけて、最低限の視認性を確保している。

CDCウイングのパターンもそうだが、#20や#22といった、ミッジとしてはやや大きめのサイズにタイイングすれば、小型メイフライのライズにもマッチする。


(掲載日:2016年02月26日)
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