恒例!WILD-1スタッフの犀川釣行!|フライフィッシング データバンク

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オフシーズン恒例!WILD-1スタッフの犀川釣行!
(取材:2018年10月)

■今年も犀川でフライフィッシング!

長野県・犀川殖産漁協管内の犀川(さいがわ)本流は、ニジマスについて禁漁期間のない周年解禁のフィールド。70cm超のモンスター級も飛び出すことから、フライフィッシング、ルアーフィッシングだけでなく、エサ釣り師にも人気が高い。
犀川殖産漁協のキャッチアンドリリース区間
デカイだけではない。ここには魚体の美しい野生化したニジマスが多い。
ヒレは回復してピンシャン。本流の太い流れに鍛えられたボディは筋肉質。本州ではなかなかお目にかかることができないコンディションの素晴らしいニジマスに会うことができるのだ。

ニジマスだけでなく、ここではブラウントラウトも釣れる。こちらもモンスター級が飛び出してくるのだが、実はブラウンには漁業権が設定されていない。したがってブラウンについてはC&Rのルールは適用されない。

イワナやヤマメが禁漁になる10月になると、ここには全国から多くの釣り人がモンスター・トラウトを求めて集まってくる。ニジマスだからと甘く見てはいけない。野生化したニジマスはそう簡単には姿を見せてはくれないのだ。そこがまた犀川の面白さでもある。

■オフシーズン恒例!WILD-1スタッフの釣行。
WILD-1スタッフ
この日はアウトドアショップとしておなじみのWILD-1(ワイルドワン)のフィッシング部門スタッフの釣行に同行させていただいた。

ご協力いただいたのは、WILD-1・多摩ニュータウン店の角田さんと入間店の栗原さん。毎年オフシーズンには幾度となく犀川を訪れる角田さんと栗原さん。お二人の犀川でのフライフィッシングは当サイトでもすっかり恒例となった。

アウトドアショップとしては国内屈指の規模を誇るWILD-1だが、フィッシング用品の売り場面積が広い店舗が多い。フライフィッシング用品の品揃えは驚くほど多く、フィッシング部門のスタッフは皆さん、フライフィッシングを本当によくご存知。

足しげくフィールドに出向いて情報収集したり、取り扱う商品を自分で試したりしている。毎度感心してしまうのだが、本当に釣りが好きなのだ。

フライフィッシングの道具。フィールドの旬な情報。WILD-1のスタッフは実に多くの引き出しを持っていて、ご自身の実体験に裏打ちされたタイムリーな情報を教えてくれる。
とても頼りになる存在なのだ。
店舗に足を運んだ際には、是非、スタッフにいろいろ聞いてみるといいだろう。
犀川のフライフィッシング
■台風の影響で水量が多めの犀川
2018年10月初旬の取材。台風の影響が残っていて、まだ水量が多い。少し濁りもある。トラウト達は台風時の増水で流されてしまってはいないだろうか。
水量多めの犀川犀川
お二人は撮影前の早朝から有望ポイントをひととおり見て回ったそうだが、平日にもかかわらずこの日は人が多かった。増水が収束するこのタイミングを皆、待ちかねていたのだろう。

駐車スペースから少し歩いて人のいないポイントに入り仕度をする。
この日のタックルは角田さんが11フィート#6のスイッチロッド。栗原さんは11フィート11インチの#7。ショートスペイ。

虫は飛んでいるし、セキレイは川面スレスレに飛んで何かを喰っているのだが、ライズはない。「ドジョウでも喰っていそうですよね」とお二人とも濃い色合いのストリーマー風のフライを結んだ。

■痛恨のバラシ
栗原さんが瀬頭に入り、そこから釣り下る。その50mほど上流に角田さんが入り、フライを流しながら釣り下って栗原さんを追う。
使用したフライパターン
対岸方向にキャスティングされたフライは、強い流れと緩い流れの境目あたりに着水する。そのままラインを下流方向にスイングさせる。

アタリはスイングさせている時にあることが多い。
「まずモゾモゾした感触がロッドに伝わってきますが、そこでアワせてもフッキングしません。たぶんフライをつついて追いかけている段階なのでしょう。」と栗原さん。

その栗原さんにまずアタリがあった。が、これはフッキングしない。
「モゾモゾした後にグーっと強い引きがあればフッキングするのですが、モゾモゾだけで終わってしまいました」という。これは残念。

しばらくして角田さんがそのポイントまで釣り下ってきた。角田さんは岸に近い流れの中に魚影を見つけた。角田さんのロッドがしなったのはその数秒後。

がっちりとフッキングしたようだ。リールでやり取りしながら魚を岸に寄せる角田さん。ニジマスのようだ。二度、三度とローリングするようにして逃れようとするニジマス。

岸寄りの浅場まで寄せ、角田さんとニジマスとの距離はあと10mほど。
と、そこでラインにかかっていたテンションが緩んだ。フックが外れてしまったのだ。
これは予想外。がっくりと腰を落とす角田さん。

このシーンの一部始終は動画に収められているので、是非ご覧いただきたい。
ヒットフライは写真の黒いパターンだが、実はこのフライ、チューブフライなのだ。「本流のフライフィッシングで今、静かなブーム(?)です」と角田さん。魚がフライに喰いつくと、フック部分だけを残してフライの部分がティペット上方にスルっと移動する。これでフッキング率が大きく向上するという。更に、フックだけを常に新しいものに交換できるメリットもあるという。
これを文章で説明するのはなかなか難しいので、興味のある方はWILD-1店舗でスタッフにたずねてみてほしい。
犀川でフライロッドをキャスティング
■川原でアウトドア・クッキング
午前中はいくつかの有望ポイントでロッドを振ったのだが、時折アタリはあるもののフッキングまでには至らない。集中力が薄れてくる。ランチ休憩にして気持ちを入れ替えるとしよう。

WILD-1スタッフの釣行取材で毎回楽しみなのが、このランチタイム。いつもおいしい食事をご馳走していただいている。自然に囲まれてのアウトドア・ランチは本当に格別なのだ。

今回ご馳走していただいたのは、カオマンガイというタイ料理。白米と鶏肉、ショウガ、ニンニクなどをを一緒に鍋に入れて炊くと出来上がり。

手際よく準備を整える角田さんと栗原さん。そうだ、お二人はアウトドアショップのスタッフだったんだ、と改めて思い出す瞬間だ。アウトドア用品の扱いはこなれたもの。あっという間にアウトドア・ランチが完成してしまう。
カオマンガイをメインに、生野菜と暖かいスープ。これがこの日のメニュー。
犀川でアウトドア・ランチ
対岸の斜面は牧場になっていて羊たちが歩いている。川の流れと羊たちを眺めながらのアウトドア・ランチ。
のどかで贅沢な時間が流れる。
犀川の川原でランチ
■ラストチャンス
さて、仕切り直し。
午後も犀川の有望ポイントを巡り歩いてロッドを振るお二人。しかしトラウトは姿を見せてくれない。そうこうしているうちに日もかげってきてしまった。10月ともなると日暮れが早い。 犀川のフライフィッシングでニジマスを狙う

結局お二人は、午前中に角田さんがニジマスをバラしたポイントに入りラストチャンスに賭けることにした。
午前中と同じように栗原さんが先にポイントを釣り下り、その後ろを角田さんが追いかけるように釣り下ってくる。

栗原さんのロッドには今回もアタリがあったのだが、残念ながら空振り。
これで栗原さんはゲームセット。川原に座って角田さんのキャストを見守るが、しばらく間をおいて角田さんもそのポイントを釣り切ってしまった。

しかし角田さん、どうにも諦めきれない様子。「もうワンチャンス」と、午前中には入らなかった流れに立ちこんでいった。
犀川フライフィッシングでニジマスがヒット
広い瀬が終わり両岸が狭まった水深のある流れ。下流側のこちら側の岸が少し突き出していて、そこに水流があたっている。狙うのはそこ。

角田さんの投じたフライがその核心部まで流れてきた時、明確なアタリ。だがこれはフッキングしない。
次のキャストでも同じ場所でアタリ。今度はフッキングの手応があったが外れてしまった。これでもう一度喰ってくる可能性は低くなった。

正直に言おう。この段階で筆者はビデオカメラを回したまま、撤収の身支度を始めていた。
が、しかし、その数十秒後に角田さんのロッドは弧を描いた。ニジマスはここにたまっていたのだろうか。
パワフルなファイトを楽しませてくれた後、角田さんのランディングネットにニジマスは収まった。モンスターサイズとはいかなかったが、ヒレが回復した美しい魚体。顔つきも精悍だ。ヒットフライは午前中と同じ黒のチューブ・フライだった。
このヒットシーンも動画に収められているので、是非ご覧いただきたい。
犀川のニジマス
さて、今回も角田さん・栗原さんが使っている道具をいくつか教えていただこう。フライフィッシングの道具については見る目が肥えているWILD-1のスタッフがご自身の釣りで使う道具。興味があるところだ。

■パタゴニア リバー&ソルトジャケット
パタゴニア リバー&ソルトジャケット 角田さんが着用しているジャケットは、パタゴニアのリバー&ソルトジャケット。
山用や釣り用の一般的なレインジャケットと比べ、だいぶ厚手に作られており防水性能も非常に高いそうで、極寒や豪雨にも耐えることができる。

ふたつある胸の縦ポケットは大きめで、中にさらに小さいポケットが隠されている。ポケットの中で仕分けができるというわけだ。

フライラインなどが絡まったりしないつくりや、袖部分の防水など、細かな部分にも工夫が施されているあたりは、さすがパタゴニア。釣り人の気持ちがよくわかっている、という印象だ。

実はこの日は予想に反して気温が上昇したため、実釣中はこのジャケットの出番がなかったのだが、この記事が公開される頃には、フィールドの気温もだいぶ低くなっているはず。
こうしたしっかりしたジャケットの有難みが実感できるはずだ。

■パタゴニア スキーナリバーウェーダー
パタゴニア スキーナリバーウェーダー この日、角田さん・栗原さん共に着用していたウェーダーは、パタゴニアのスキーナリバー。当サイトでも何度か紹介しているウェーダーだ。

最大の特徴は、簡単にウエストハイにもチェストハイにもなってしまうところ。浅い流れや気温が高ければウエストハイ。
深い流れに立ち込む時や気温が低い時にはチェストハイといった使い分けができる。

ハンドウォーマーがついているのも、これからの寒い時期には有難い。内側に装備された防水バックも気が利いている。
膝部分のストレッチ性の高さもよく考えられている。
ところでこのウェーダー、WILD-1スタッフの中で所有率が高いようだ。それだけよくできたウェーダーということなのだろう。

■SMITH LOWDOWN XL(偏光グラス)
SMITH LOWDOWN XL(偏光グラス) 栗原さんの偏光グラスは、スミスのLOWDOWN XL。
BLACK/レンズX lightgreen Silverというタイプのものだ。

この偏光グラスを選んだ理由をお聞きすると「かっこいいから」という答えが返ってきた。
「フライでもルアーでも特に若いアングラーに人気が高いんですよ」と栗原さん。
このクラシカルなデザインが今のトレンドのようだ。

ミラー加工されたレンズは、日本仕様には米国仕様よりも明るいものが採用されているそうだ。このほうが日本人の目に適しているということで、薄暗い渓流やイブニングでも無理なく使える。

とても軽量なので1日かけていても負担が少ない、という点もうれしい。
このクラスのレンズとしては価格が手ごろな点も、人気の理由なのだろう。
(掲載日:2018年10月)

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