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今月のフィールド ~2015年6月 北ノ又川・松川~(動画あり)|フライフィッシング データバンク

「今月のフィールド」2015年6月は、岩手県の北ノ又川・松川をピックアップし、動画とともに紹介

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 > 今月のフィールド ~2015年6月 北ノ又川・松川~
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北ノ又川-1八幡平周辺を地図で眺めていると、いくつもの銘川の名が目に飛び込んでくる。
岩手県側に葛根田川、安比川、兄川。秋田県側には玉川の源流部である大深沢が流れている。渓流釣りを趣味とする者にとっては、涎の出そうなエリアである。もちろんフライフィッシングを楽しめるポイントも目白押しだ。

今回はその八幡平を水源に持つ岩手県側の2フィールド、松川とその支流・北ノ又川を取り上げてみた。

■東北有数の温泉地帯・八幡平
八幡平八幡平とは、岩手・秋田両県の内陸部北部にまたがる山群を指す。山群の最高峰は1,614 m。さほどの標高の高い山並みではない。北アルプスの山々のような険しいピークも見当たらず、全体的にゆるやかな高原状の山群だ。
一帯は火山帯で、付近は八幡平温泉郷と呼ばれる東北でも有数の温泉地帯。玉川温泉などの名湯や秘湯が数多く存在する。

このエリアには、その地熱を利用した地熱発電所もある。
岩手県八幡平市の松川温泉にある松川地熱発電所だ。隣の雫石町を流れる葛根田川沿いにも、葛根田地熱発電所がある。
松川地熱発電所は1966年に運転を開始し、今なお発電を継続している。商業ベースの地熱発電所としては日本で最初のものだ。

東日本大震災以降、再生可能エネルギーによる発電が注目を集めているが、地熱発電は再生可能エネルギーによる発電としては、唯一、ベース電源になりうる技術が現時点で確立されている方式だ。
再生可能エネルギーによる発電といえば、太陽光や風力による発電が脚光を浴びている。しかし太陽光も風力も、発電量は天候等に左右されてしまう。これをベース電源として使うためには、とびきり大容量の蓄電池が必要とされているが、残念ながらそうした電池の開発が成功する見通しは、今のところ立っていない。
それに対して地熱発電の場合、発電量は天候等に左右されることなく安定した電力の供給が可能だ。

火山国の日本には、地熱発電に適した場所が数多く存在すると言われる。にもかかわらず様々な「大人の事情」もあって、地熱発電は一般にはあまり注目されていない。
北ノ又川-全景だいぶ話が脱線した。この記事はフライフィッシングの記事なので、これ以上この話題を膨らますのはやめておこう。

■魅力溢れる山岳渓流・北ノ又川
北ノ又川は、北上川の支流である松川のそのまた支流。といっても、北ノ又川のほうが実質的な本流筋ではないかと思えるくらいのスケールがある、魅力的な山岳渓流だ。

ただし気軽に入渓できるポイントは残念ながら多くない。
写真のポイントは、北ノ又発電所の下流側。北ノ又橋から発電所に向かう道路を少し進んだあたり。この道路は一般車両は進入禁止なので、邪魔にならない場所に車を駐車して徒歩で進む。ここから入渓して発電所の放水口まで200mほどを釣り上がるのが、最も気軽にフライフィッシングを楽しめる区間だろう。

北ノ又川-ランディングこの区間は取水されていることが多いため、北ノ又川本来の水量ではない。しかし、ドライフライを使ったフライフィッシングに限って言えば、それがかえって好都合なのかもしれない。水深が深すぎることもなく、流れが強すぎることもない。実に手頃な流れなのだ。遡行も楽だ。

実際この取材でも、沢山の元気なイワナ達が大きめのドライフライに飛び出してくれた。

ここはわずか200mほどの短い区間ではあるが、あちこちのポイントでイワナが反応をみせるので、区間終点にたどり着くまでには、意外に時間を要する。

北ノ又川のイワナここで釣れるのは、いかにも東北らしい白斑の大きなイワナ。朱点は見られない。
胸ヒレの立派なグッドサイズが揃うのがうれしい。
青味を帯びた背中が、東北に来ていることを実感させてくれる。

この渓の源流域には、白斑が小さく朱点もある居着きのイワナが棲息しているようだが、このポイントでそうしたイワナの姿は確認できなかった。

■本流筋の松川
さて、本流筋の松川だが、この川の上流部は硫黄の強い温泉水が流れていて、渓魚は棲息しない。
前述の松川地熱発電所は、この松川の源流域の脇にあるのだが、その流れは硫黄泉そのもの。白色の濁り湯がそのまま川になっている印象だ。
松川-全景実際、発電所のすぐそばに松川温泉があって、そのお湯は白色の濁り湯。そこの露天風呂からは、松川地熱発電所の迫力ある姿を眺めることができるので、是非立ち寄ってみることをおススメする。

今回の取材で入渓したポイントは、金沢橋の下。北ノ又川が合流する地点よりも下流側の流れだ。北ノ又川の水が入っていることで硫黄成分はだいぶ薄められているが、それでもなお、少し硫黄のニオイがする。

以前はこの流れも渓魚の姿はなかったようだが、今では放流されたイワナが元気に泳いでいて、多くのフライマンが訪れる人気フィールドとなっている。

松川のイワナこの日はイブニングライズを目当てに夕刻に入渓したのだが、残念なことにハッチもライズも見当たらない。
あてが外れたかな、と思ったのだが、流れをドライフライで叩いてみると、思いのほか反応が良い。
写真のような中型クラスのイワナが次々にフライに飛び出してくれた。

実はここでは魚影はあまり期待していなかったのだが、想像よりずっと濃いイワナの魚影に驚かされる取材となった。

(掲載日:2015年06月20日)
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