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今月のフィールド ~2015年2月 吉田川~(動画あり)|フライフィッシング データバンク

「今月のフィールド」2015年2月は、岐阜県の吉田川をピックアップし、動画とともに紹介

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オフシーズン恒例!WILD-1スタッフの犀川釣行!
郡上の2月。雪とシラメとライズリング。
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吉田川のフライフィッシング毎年2月になると岐阜県の一部と長野県で渓流釣りが解禁となる。待ちに待ったフライフィッシングシーズンの到来というわけだ。

まるで「初詣」
今回取り上げる岐阜県郡上市・長良川の支流である吉田川も2月に解禁するフィールドのひとつ。今年も2月15日に解禁の予定となっている。

フライフィッシングの魔力に取りつかれてしまった方々の中には、2月をお正月のように感じ、初詣のように毎年ここ吉田川や本流の長良川を訪れてしまう、という輩もいらっしゃるのではないだろうか。
2月の吉田川や長良川本流でロッドを振っているのは大半がフライマン。お目当てはライズしているシラメだ。
2月にドライフライのフライフィッシングを楽しめるフィールドは数少ない。そのため、この季節の郡上八幡には、東京方面や大阪方面からも大勢のフライフィッシャーが訪れてくる。
吉田川のフライフィッシング-2このエリアが関東と関西の中間点付近にあることも影響しているのだろう。
そんなわけで、シラメのライズを狙い冷たい流れに立ちこむフライフィッシャーの姿は、この時期の郡上八幡の風物詩ともなっている。

シラメって?
ところで、「シラメ」って何?
という方もいらっしゃるだろう。無理もない。年間を通して今の時期にしか話題に上がらない魚種であるうえ、シラメを狙うフライフィッシングが楽しいフィールドは限られている。

シラメをごく簡易に説明するとすれば、「パーマークがほとんどないアマゴ」ということになる。
一般的なアマゴは、ヤマメと同様にパーマーク(小判型の斑紋)がくっきりしている。ヤマメとアマゴの大きな違いは、アマゴには鮮やかな朱点があるということだ。
シラメとアマゴの違いシラメはアマゴなので朱点はある。しかし、パーマークはなく魚体は銀ピカなのだ。

サツキマスの幼魚
シラメも含めてアマゴはサケ科の渓流魚。川で産卵し、海に下る本能を持っている。が、パーマークの濃い一般的なアマゴは、海に下ることのない陸封型だ。一方で銀ピカのシラメは同じアマゴでも、海に下る習性が強い降海型。しばらく海で暮らして大きくなったアマゴはサツキマスと呼ばれ、産卵のため再び川に戻ってくる。
つまりシラメの正体は、サツキマスの幼魚というわけだ。

吉田川のフライフィッシング-3郡上の釣り名人
さて今回の記事は、昨年(2014年)2月に取材したときのもの。
ライズを探して吉田川の河原をうろうろしていると、年配の方に声をかけられた。地元の釣り好きのようだ。フライフィッシングはしないということだったが、フライの話題にもしっかりついてくる。
しばらくライズポイントなどの話をしていると、向こうの瀬を釣っていたエサ釣り師が駆け寄ってきて、興奮気味にその釣り好きに話しかけはじめた。
「○△さんですよね!?」
実はこの年配の釣り好き、釣り雑誌などに度々登場する著名な釣り名人だったのだ。

郡上八幡の男達の釣りの腕前はハンパなものではない、と聞いたことがある。昔は子供がちょっと川に行ってアユやアマゴを釣り、それを旅館などに売って小遣い稼ぎをしていたともいう。
吉田川のフライフィッシング-4名人の話を聞いていると、そんな郡上の釣り師達の凄さが垣間見える。この名人、時々、郡上の釣り仲間達と他の地域に遠征に行くという。そうした際、郡上の釣り師軍団の釣果は、周囲の釣り人達と圧倒的な差がついてしまうというのだ。
最近も秋田の米代川までサクラマスを釣りに行き、その圧倒的なレベルの差に周りが驚いていたという。

名人は吉田川や長良川のシラメの事情も教えてくれた。長良川に遡上するサツキマスは、以前に比べてだいぶ少なくなったと感じているそうだ。河口堰の影響だろう、と話す。
そのため天然のシラメも少なくなっているという。近年釣れてくるシラメは漁協によって放流されたものが中心になってしまった、ということだった。
ライズリングまた、漁協が放流する魚体は、パーマークの美しいアマゴが多くなりつつあるという。そちらのほうがエサ釣り師には喜ばれるのだそうだ。

バロー裏のライズ
名人によれば、2月の吉田川のライズは、やはりバロー裏が安定しているという。
バローとはスーパーマーケット。その裏手が広いプール状の流れになっていて、フライフィッシングの有名ポイントとして知られている。この日もバローの駐車場には、入れ替わり立ち替わりフライマンが現れて水面の状況を確認していた。

流れを覗いてみると、降雪の中にもかかわらず時折ライズリングが広がっている。
雪が降っていても水面が穏やかであればライズはある。しかし風で水面が乱れるとライズは止まってしまう。
シラメがヒットシラメやアマゴ達が水面で捕食しているのは、おそらくミッジ。小さなミッジは、波立った乱れた水面では渓魚からも見つけづらいのだろう。

流れに立ち込んでみると思いのほか水深がある。簡単にライズに届く位置となると、腰より上までウェーディングしなければならないだろう。気温も水温も低い中で、腰上まで流れに浸かるのはキビシイ。
なんとかライズを狙えそうなポジションまでともかく進み、ライズを待つ。
雪が降ったり日が差したり。強い風が吹いたり無風になったり。この日は数分ほどのサイクルで天候がめまぐるしく変化した。風がやんで水面が落ち着くひとときが勝負だ。

アマゴティペットの先に結んだのは、#24のCDCミッジアダルト。
ミッジは見づらいと思っている方も少なくないのだろうが、フラットな水面であれば、ミッジ系フライの視認性はさほど悪くないことが多い。ミッジの季節のライズは、ほとんどがフラットな水面で起こり、乱れた水面にフライを流す必要はない。逆光で水面がギラついて見えないなどのケースを除けば、視認性が問題になることは実は少ないのである。

この日は何匹かのアマゴがミッジに飛び出して遊んでくれたが、残念ながらシラメにお目にかかることはできなかった。

(掲載日:2015年02月02日)
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