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今月の一本 2015年6月 カディスピューパ・パラシュート(動画あり)|フライフィッシング データバンク

「今月の一本」2015年6月は、「カディスピューパ・パラシュート」をピックアップし、動画とともに紹介

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オフシーズン恒例!WILD-1スタッフの犀川釣行!
盛期の瀬を満喫する便利フライ
カディスピューパ・パラシュート-16月になると積雪の多い地域の渓流でも雪代が収まり、国内のほとんどのフィールドがフライフィッシングの盛期を迎える。

この季節は、水面を流下する昆虫類が、量も種類も年間を通して最も多い時期だ。
水生昆虫のまとまったハッチは朝夕に限られることが多くなるが、日中でもカディス(トビゲラ)やメイフライ(カゲロウ)が、それなりの量の流下をみせる日が多い。曇った日や日陰の多い渓流であれば、それはさらに顕著になる。

さらに6月中旬頃からは、テレストリアル(陸生昆虫)の流下も増えてくる。
イワナもヤマメも、水面を流れる様々な種の昆虫を、偏食することなく捕食する時期というわけだ。したがって躊躇なくドライフライに飛び出してくる渓魚が多くなる。
カディスピューパ・パラシュート-2フライセレクトに神経質にならない、おおらかなフライフィッシングを楽しめる季節が6月なのだ。

■水面直下を泳ぐサナギ
さて、今回取り上げるフライパターンは、カディスピューパ(トビゲラのサナギ)をイミテートしたドライフライ。
カディス類は実のところ、真冬以外は多かれ少なかれハッチ(羽化)しているものだが、フライフィッシングにおいては、初夏以降に特に意識することが多くなる。

川底にいたカディスの幼虫(ラーバ)は羽化が近づくとサナギ(ピューパ)になり、いよいよ羽化の時間が間近になると、水面に向かって泳ぎ始める。そして水面直下で脱皮を行い、成虫となってパタパタと飛び始める。
このサナギ状態で水面直下を泳ぐカディスを模したのが、今回のカディスピューパ・パラシュートだ。

カディスピューパ・パラシュート-36月の夕方ごろ。カディスの飛び交う渓で、水飛沫をあげて派手にライズするイワナやヤマメを見つけたら、それはカディスピューパを捕食したライズである可能性が高い。カディスピューパは泳いで動き回るので、それを捕食するライズも派手なものになるようだ。

■ライズにも釣り上がりにも
今回のパターンは、もちろんそうしたライズもとることができる。しかし今の時期には、特にライズが見られない状況でも、パイロットフライ的にこのフライを結んで瀬を叩きながら釣り上がっていくと、それなりに良い反応を得られることが多い。
さらに少し季節が進んで、渓魚の食性がテレストリアル中心に切り替わった後でも、このフライパターンに対する反応は、引き続き悪くない。このパターンはテレストリアルフライとしても活躍してくれる、なかなか便利なフライなのだ。

このフライは、ボディ部分を水面下に沈める「半沈みタイプ」。したがってキャスト前には、ボディ部分にしっかり水を含ませて、すっきり沈むようにして使う。フロータントは、インジケータとハックルのみにつけるようにする。

パートリッジ■パートリッジのレッグが肝
このパターンのタイイングで肝になるのは、パートリッジでつくるレッグだ。このレッグが、なんともいえない「虫っぽさ」を演出している。
パートリッジといえば、ウェットフライのソフトハックルで使われることの多いマテリアル。そうしたウェットフライトと同様に、このフライパターンのレッグ部分は、渓魚の食欲をそそっているパーツなのではないだろうか。
今回のパターンでは、V字にカットしたパートリッジをフライの下部に取り付けている。

ボディには濃いグリーン系のダビング材を使う。今回はラメ入りのヘアーズイヤーを使用しているが、晴天の日にはラメのパターンはキラメキが強すぎて反応が悪くなる。地味なパターンも用意しておくとよいだろう。
パラシュートタイプに仕上げるハックルには、コックネックを使用。このパターンでは、やはりグリズリーハックルが似合う。インジケーター(パラシュート・ポスト)は、エアロドライウイングだ。色は好みのものでよい。
カディスピューパ・パラシュート-4フックはカーブドシャンクのものを使う。サイズは#12~#16。写真のパターンではアキスコのAFB-1130を使用したが、特にこだわる必要はない。

さて、このフライパターンを使うとき、是非試して欲しいことがある。フラッタリングだ。
最初は普通にナチュラルドリフトで流す。流しきってドラグが掛かり始めたら、チョンチョンという感じで、数センチずつフライを引っ張ってフラッタリングさせるのだ。もしその位置に渓魚がいれば、かなりの確立でフライを追い掛け回してくるだろう。
前述のとおり、カディスピューパは水面直下を泳ぎ回る。今の時期の渓魚はそれを追い掛け回して派手なライズを繰り返すのだが、その状態をシミュレートするというわけだ。

つい先日のこと。福島の渓での午後の遅い時間。
カディスのハッチが目立ち始めたので、ティペットにこのパターンを結んだ。フライがナチュラルドリフトしているときには、全く反応がない。ところが、フラッタリングさせると渓魚は慌てたようにフライを追いかけてくる。1回のドリフト中に何度もアタックしてきて、4度目くらいのフラッタリングでフッキングするヤツもいる。

この時間、わずか5mほどの流れのスジで、ずいぶんと沢山のヤマメとイワナがこのやり方で遊んでくれた。


(掲載日:2015年06月02日)
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