
解禁当初・冬~早春にかけてのフライフィッシングでは、ミッジ系のフライパターンを使用するシーンが多い。
この季節のハッチの中心がミッジであることが多いので、当然だ。
ミッジとは、ユスリカをはじめとする超小型の水生昆虫全般を指すのが一般的で、フックサイズでいえば、#20以下と考えて差し支えないだろう。
実際のユスリカのサイズは、#26~#30以下のものが多いように感じるが、しかしこれはフィールドによってずいぶんと異なる。
日光の中禅寺湖では、#16ほどもの大きさがあるユスリカが飛び交っていて、驚かされたことがある。中禅寺湖のユスリカは、そのサイズが標準的なのだそうだ。そのくらいのサイズであれば、わざわざ#16のユスリカ・パターンを用意しなくても、例えばCDCダンなどで十分対応できるだろう。

しかし、#20以下のサイズのユスリカとなれば、これはやはりそれ専用のフライを準備しておく必要がある。他のフライパターンで代用することはまず困難だろう。
■水面直下
今回紹介するフライパターンは、水面直下のパターン。ユスリカのピューパをイミテートしたもので、数あるミッジ系フライの中でも比較的ポピュラーなドライフライだ。
ポピュラーではあるが、ミッジのフライフィッシングでは、これ一本で事足りてしまうということはまずない。
ミッジの季節は、一箇所のライズに対してじっくり腰をすえて粘ることが多い。何度も同じフライを流していると、その場所の渓魚はそのフライに飽きてくる。見切られるようになってしまう。

なので、フライセレクトのローテーションが必要になる。サイズ違い、色違い、浮き方の違い、スペント、シャック等々。多くのローテーションの選択肢を持っていると心強い。
今回のフローティング・ミッジピューパは、ボディ部分が水面直下に沈むつくり。
ユスリカ・アダルトのパターンのようにフライ全体が水面上に浮かぶドライフライとは、全く異なるシルエットを渓魚に見せることができる。
■ボディ部分はストリップドピーコック
そのボディ部分は、ストリップドピーコックで作っている。ミッジピューパのパターンのボディには、このマテリアルがよく似合うし、釣れる気がする。

ソラックス部分には今回は、フェザントテールをタイイングした。
このフライパターンでは、この部分にピーコックを使用するほうが一般的なのだが、フェザントテールを使うことで、ピーコックのパターンとは少し異なる質感と色合いに仕上げることができる。
ウイングにはCDC。今回は視認性を考えて白を使った。CDCは少し長めに取り付けておいて、必要に応じて現場でカットするように作るとよいだろう。
フックは細軸のカーブドシャンク。今回はバリバスの2210にタイイングした。
サイズは#20~#22くらいが適当だ。
(掲載日:2017年02月26日)
この記事の関連ページ