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水源は月山。藤島川の美ヤマメを釣る。(動画あり)|フライフィッシング データバンク

ハーディーを連れて遊ぶ霊峰の小渓

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水源は月山。藤島川の美ヤマメを釣る
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■霊峰・月山を水源とする藤島川
標高1,984mの月山(がっさん)は山形県のちょうど真ん中あたりに位置する。古くから山岳信仰の山として名高く、頂上にある月山神社は今から千年も昔に創建されたものだという。
月山月山のすぐ近くには、羽黒山、湯殿山があるが、月山を含めたこの三つの山は出羽三山と呼ばれている。出羽三山は東北の霊場として知られ、三山それぞれの山頂に神社があって、今なお山伏修行がおこなわれているそうだ。

ちなみに一般の方も参加できる「山伏修行体験」も実施されている。3日間の日程で出羽三山をお参りし、修行体験中は、財布、時計、カメラ、携帯電話などは持参してはいけないそうで、風呂も歯磨きもしてはいけいないという。
なかなかに本格的な修行体験のようだ。
藤島川(山形県)のフライフィッシング今回訪れた藤島川は、この霊峰・月山を水源とし、中流域で羽黒山の脇を流れる渓流だ。そういう目で見ると、ここ藤島川には、なんだかとても有難い水が流れているような気がしてくる。

この日は、HARDY(ハーディー)のフライリール・Marquis LWT(マーキスLWT)を連れて、この藤島川に来ている。2017年7月。梅雨の晴れ間の1日。

月山には、以前から目星をつけていた渓流がいくつかあったのだが、実際にフライフィッシングをするのは今回が初めて。7月だというのに、山頂付近には万年雪が残る月山。その雪解け水を集めて流れているのがこの藤島川。 藤島川(山形県)のヤマメこの藤島川は上流域へアプローチする道がない。今回は車で乗り付けることができる最上流部、「スタジオセディック庄内」の脇の流れに入渓した。藤島川の中流部だ。
「スタジオセディック庄内」は映画撮影のオープンセットで、撮影した映画のセットをそのまま残して一般に公開している。

さて、事前の情報では、この付近はイワナとヤマメの混生ということだったが、この日顔を出してくれたのは全てがヤマメ。ご覧のとおりの美しい魚体。ビッグなヤマメは期待しないほうがよいが、塩焼きサイズのヤマメが揃って楽しい。 月山の渓流でのフライフィッシング

■3番ロッドにマーキスLWT・REEL4をセット
入渓した区間は、3番ロッドのフライフィッシングにちょうど手頃な規模感。段差は少ないが、そこかしこに転がる大小の石が流れに変化をつけていて、ドライフライを落としたくなるスポットがあちこちに見つかる。
ハーディー・マーキスLWTを持つ
複雑な流れをかわしながらのフライフィッシングになるので、リーダー・ティペットは長めの20フィート弱。3番ロッドにセットしたリールは、ハーディーの銘品・マーキスLWT・REEL4。

カタログでのマーキスLWT・REEL4のライン表記は、WF(ウェイトフォワード)4番とされている。ひとつ小型のREEL2/3は、WF3番の表記。
3番ライン専用に使うなら、REEL2/3を選んでしまいそうだが、ここは気をつける必要がある。WFではなく、DT(ダブルテーパー)3番のラインを使う場合、REEL2/3ではスプールの余裕が少ないのだ。
月山で使うハーディー・マーキスLWTマーキスLWTに限らず、DTラインを使う場合には1番手大きい型を選ぶと余裕を持ってラインを収納できることが多い。

サイズ的にもハーディーらしい存在感が感じられることもあり、渓流域のフライフィッシングでは、筆者も3番ロッドにマーキスLWT・REEL4の組み合わせをセレクトしている。

■機嫌のいいヤマメたち
さて、この日の藤島川のヤマメたちは、とても機嫌がいいようだ。ヒラキからでも、落ち込みからでも、石の脇からでも、ドライフライにポンポンと飛び出してくる。ナチュラルドリフトさえ心掛ければ、フライセレクトには無関係に、がっぶりとフッキングしてくる。サイズもまずまず。ベストシーズンの東北でのフライフィッシングは、これだから楽しい。
マーキスLWTと藤島川のヤマメところで、今回の釣行の主役はマーキスLWT。気に入っているこのリールと月山の渓魚との記念撮影をしたかったのだ。

ハーディーのクラシック・リールは、伝統を感じさせるクラシカルなデザインでありながら、洗練された現代的な雰囲気も持ち合わせている。ヤマメやイワナの美しいフォルムと、とても相性がいいデザインだ。
欧州で数多くの「王室ご用達」を獲得してきた歴史あるメーカーがつくる製品だけのことはあって、風格を感じることができる。工業製品というより、工芸品に近いような雰囲気があるのだ。
月山の渓流のヤマメをキャッチ

■英国の熟練工が手間隙かけてつくるフライリール
ハーディーの創業は1872年。英国・ノーサンバーランドのアニックという地で鉄砲製造をしたのが始まりだそうだ。ハーディーのつくる鉄砲は高品質で人気だったそうだが、やがて創業者の趣味であるフライフィッシングに事業の舵を切る。
ハーディーの熟練工この時から140年以上もの間、ハーディーはフライフィッシングのトップブランドであり続けてきたというわけだ。

右の古い写真はハーディーの工場内を写したもの。熟練工らしき人物が手作業でロッドの微調整をしているようだ。
ハーディーは今も創業の地・アニックに拠点を構えロッドやリールの生産を行っている。現在ここアニックで生産される製品も、熟練工が手作業で行う工程が多いようで写真のような光景は今でも見られるのかもしれない。

今回の釣行で使用しているフライリール・マーキスLWTも英国・アニックで生産されている。
マーキスはハーディーの代表的なモデルともいえる超ロングセラー・リールだが、この「LWT」は2016年11月にモデルチェンジして発売された新型だ。

マーキスLWTの本体はバーストック・アルミからの削り出しだが、この工程も手作業。アルミ塊の図太い棒から職人が機械を操作しながら丹念に削り出すという工程。手間隙がかかるが、鋳造品よりも格段に強度が高いリールに仕上がる。

こうした熟練工による手作業が、英国・アニックの地で生産されるハーディー製品の醸し出す工芸品的な雰囲気の要因なのかもしれない。

■最新技術で製品を進化させるハーディーのDNA
老舗のブランドには「伝統」という部分にスポットが当たりがちだが、実はハーディーは「革新的」なメーカーとしての評価も高い。
HARDY・Marquis LWTのフェイス面六角形のバンブーロッドを最初に作ったのはハーディーだし、世界初のラージアーバー・リールをハーディーが発売したのは、なんと1911年だ。1980年代には当時主流だったグラスファイバーを進化させた、グラファイト製のフライロッドを世に送り出している。

最新技術を取り入れて製品を進化させるDNAが、ハーディーには脈々と受け継がれているのだろう。

モデルチェンジしたマーキスLWTでも、そのDNAを感じ取ることができる。
前述のバーストック・アルミは、A6061というアルミ合金。船舶、車両、土木用材といった、軽量でありながら極めて高い強度が要求されるものに使われる最新の金属素材だ。クラシカルでエレガントなルックスのマーキスLWTだが、実はそこには新技術や最新の素材が使われているというわけだ。

英国製のフライリール「丈夫で長持ち」というのはハーディーの代名詞のようなものだが、渓流域でのフライフィッシングではリールの強度は意外に重要だ。

岩や石がごろごろ転がる渓流域。転倒したり落としたりでリールを石にぶつけてしまうということは、決して珍しいことではない。そんな時にも、ぱっかりと割れてしまうような心配をせずにすむのが、バーストックアルミA6061の削り出しなのだ。

■「MADE IN ENGRAND」の刻印
ところで、マーキスLWTの「LWT」という部分は「ライトウェイト」を意味する。今回のモデルチェンジでは、スプールの穴あけ加工の工夫による軽量化が図られた。

このリールのフェイス面の下部には「MADE IN ENGRAND」の文字が刻印されている。英国から遠く離れた霊峰の渓で使う英国製リール。英国はフライフィッシング発祥の地でもある。
この刻印を誰かが見ているわけではない。それでもなんだかちょっとだけ誇らしい気分。こんな気分を味わえるのもハーディーの魅力のひとつなのだろう。

藤島川・中流部のフライフィッシング
(掲載日:2017年12月26日)
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藤島川(取材地点)
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